胎児の神経管閉鎖障害を防ぐために必要な事とは?

 

高齢出産のリスクとしても挙げられることが多いものとして、神経管閉鎖障害というものがあります。
これは、胎児の脳や脊椎に異常があることを指しています。

 

妊娠初期の頃に、何らかの原因によって胎児の脳や脊椎の発達・成長が未熟な場合、
先天性異常として発症するものです。

 

この神経管閉鎖障害は、どうして起きてしまうのか、防ぎたい場合にはどうすればいいのか等、
人事ではないかもしれませんので、しっかりと知識をつけておきましょう。

 

 

神経管閉鎖障害の種類

 

神経管閉鎖障害には、2種類のものがあります。
脳の形成が不全である場合と、脊椎の形成に問題があった場合です。

 

それぞれどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

 

 

脳の形成不全 〜無脳症〜

 

無脳症という言葉を聞いたことがある方は少ないかもしれません。
文字から想像出来るように、お腹の赤ちゃんに脳がない、もしくは欠損している状態を指します。
脳の成長段階において、何らかの問題が起きてしまい、脳が成長しないのです。
一度は脳ができていたとしても、その後突然退化したり、成長が止まることがあります。

 

このような症状の他にも、眼球が吐出したり、欠落してしまうことがあったり、
口唇口蓋裂という口が裂けてしまう症状も同時に発症することがあると言われています。

 

流産・死産となってしまうこともありますが、出産に繋がるケースがあります。
ただ、出産できた場合でも、その生命は1周間程度と言われており、
無脳症だと診断された時点で、医師が中絶を勧めることが多い難病でもあります。

 

 

脊椎の障がい 〜二分脊椎症〜

 

二分脊椎症には、潜在性と顕在性のものがあり、胎児は後者である場合が多くなっています。
脊椎が形成されない、もしくは欠損している、脊椎が本来の場所から露出してしまっている状態を指します。
神経管を形成していく中で(妊娠3週〜5週頃)、何らかの問題が発生すると、脊椎の一部が開いたままになるのです。

 

産まれた赤ちゃんを見ると、頭のサイズが大きかったり、脊柱が変形していたりすることから
外見からも確認できるものとなっています。

 

 

検査でわかるもの?

 

無脳症、二分脊椎症の神経管閉鎖障害は、検査でわかるものなのでしょうか。
実は、赤ちゃんが神経管閉鎖障害となっている可能性については、
妊娠検診のエコー検査で判明することが多いとされているのです。

 

つまり、エコー検査で何事もなければ、特に心配する必要はないということになります。

 

 

無脳症の場合

 

無脳症の場合には、妊娠初期(11週目から14週目頃)のエコー検査にて判明することがあります
判断基準としては、頭部が小さく見え、モヤモヤして見えることがある等の特徴があります。

 

もちろんこのように見えたからといって無脳症だと決定するわけではなく、
疑いがあるとされた場合には、血液検査や羊水の検査などを行うことになります。

 

 

二分脊椎症の場合

 

二分脊椎症の場合には、妊娠中期(16週目から20週目頃)のエコー検査、
血液検査、羊水検査などから判明することが多いとされています。

 

二分脊椎症だと判明した場合、堕胎選択する方も多くおられます。
排泄障害、運動障害、感覚障害などの後遺症が残ってしまうことが理由になります。

 

 

神経管閉鎖障害の発症率は?

 

神経管閉鎖障害の発症率は、日本では10,000人に6人の割合で発症するとされています。
このほとんどが二分脊椎症だと言われています。

 

数字を見て人事のように感じられるかもしれませんが、
年間約700人程度の赤ちゃんが、神経管閉鎖障害を発症していると考えるとどうですか?

 

少ない数字ではありませんし、身近な話だと感じられるのではないでしょうか。

 

 

原因はなに?

 

実は、はっきりとした原因というものは解明されておらず、
葉酸の不足やビタミンAの過剰摂取などが原因ではないかと考えられています。

 

原因が解明されていない中で私達が出来ることといえば、
葉酸が不足しないように気をつけることと、ビタミンAの過剰摂取とならないように気をつけることです。

 

 

葉酸を摂取することで約70%リスクを低下させることが出来る

 

葉酸は、赤ちゃんの脳や神経を作っていく上で、とても重要な役割を持っているとわかっています。
妊娠前からこの葉酸を摂取しておくことで、
妊娠初期に行われる赤ちゃんの脳や脊椎の形成などに対応していくことが出来ます。

 

イギリスを始め、欧米などの研究結果によりますと、
葉酸を妊娠初期から摂取することで、神経管閉鎖障害のリスクが約70%低下させられると言われています。

 

 

葉酸はとても大切

 

どうして葉酸が神経管閉鎖障害のリスクを低下させるのか、その理由が気になるところです。

 

葉酸は、細胞分裂を行う際に直接働きかける役割があり、
脳や脊椎などを形成していく上で必要不可欠となっているのです。

 

葉酸が、赤ちゃんの基礎的な身体づくりをしっかりとサポートするため、
神経管閉鎖障害のリスクを低下させることが出来るのですね。

 

このことから、厚生労働省は、妊娠を希望している女性・妊娠中の女性に対して、
1日に400μgの葉酸を摂取することを推奨しているのです。

 

 

いつから葉酸を摂取すればいいの?

 

葉酸を摂取するべき時期について、お話していきたいと思います。

 

葉酸が赤ちゃんの成長をサポートする時期は、妊娠初期(4週目から12週目)です。
赤ちゃんの脳や脊椎などが形成されていく時期であり、
この時期に葉酸が不足してしまうと、神経管閉鎖障害に繋がると言われています。

 

妊娠4週目から12週目に葉酸を摂取している必要があるため、
葉酸サプリなどは妊活中から摂取しておくことが大切だと言えます。

 

ちなみに厚生労働省は、妊娠1ヶ月以上前から葉酸を摂取するように呼びかけています

 

 

妊娠が分かってからでは遅いの?

 

妊娠が判明してから葉酸サプリを飲むのでは遅いのかと心配になっている方も多いと思います。
妊娠する1ヶ月以上前から葉酸サプリを摂取するというのは、
いつ赤ちゃんが出来て、いつ成長が始まっても葉酸が不足しないようにするためです。

 

妊娠前から飲んでいなくてはならないというわけではありませんし、
妊娠が分かってから飲み始めても決して遅いわけではありません

 

12週目まで飲むことで、神経管閉鎖障害のリスクを低下させることが出来ると言われています。

 

 

積極的に葉酸を摂取しましょう

 

対策をすることが出来る障がいなのであれば、対策を行うべきです。
葉酸が不足することで起きてしまう神経管閉鎖障害は、
葉酸を摂取することで約70%もリスクを低下させることが出来るのです。

 

赤ちゃんのためにも、しっかりと葉酸を摂取するようにしたいですね。